Niconのブログ

動画の解説など。

AkasawarbhaⅡ 反省会(後編)

はじめに

この記事は、AkasawarbhaⅡ反省会の後編になります。

前編はこちら↓

 

txnicon.hatenablog.com

 

1.いわき~水戸(1:15~1:25)

f:id:TxNicon:20210606100104p:plain

満を持して、E657系の登場。選ばれたのは「特急ひたち22号」でした。"ひたち22号"は聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。2021年2月14日、地震によって運転を見合わせていた東北新幹線に代わり、悪天候の中、上野まで走り抜いた名列車です。「ムーンライトひたち」などと呼ばれたりもしました。今回は、通常運行されているひたち22号ですので、直接の関係はありませんが、同じ名前を持つ列車ということで使わせていただきました。

また、文字の後ろでウネウネしてるやつは、E657系の座席の模様を再現しています。霞ヶ浦(茨城県にある湖)のうねりがモチーフらしいです。

f:id:TxNicon:20210606173207p:plain

高萩のカット。大迫力E657系。前編で紹介したOM4の、「吊り下げモード」と呼ばれる機能を使って撮影しています。ジンバルをレジ袋みたいに持ちます。

f:id:TxNicon:20210606173548p:plain

ひたちチャイムが流れたところで、特急ひたちは日立に到着します。ここでは、朝4時に起きて撮影した、日の出のタイムラプスを使用しています。太陽って、昇るときこんなくっきりと写るんですね。感動しました。ちなみに、"日立"という地名は、この地域に水戸黄門が訪れた際、「日の立ち昇るところ領内一」と称えたことに由来するそうです。へぇー

2.水戸(1:25~1:34)

f:id:TxNicon:20210606174526p:plain

今作は基本的に実写メインなのですが、水戸パートは、珍しくアニメーションっぽい動画になっています。ここで工夫した点は、fpsをあえて下げたことです。他のパートは30fpsに統一されていますが、ここだけ24fpsになっています。

なぜそうしたのかというと、アニメーションを高フレームレートで制作すると、なんか変な感じになるからです。で、下げるとそれっぽくなる。これについてはなぜそうなのかがうまく説明できないのですが、高フレームレートで制作すると動きがかなり細かく出てしまい、ごまかしが効かなくなるから、みたいな理由だと勝手に思っています。

ただ、単純に私の技量の問題の気もします。実際、最近60fps、オールアニメーションのエグい下車動画を見たのですが、特に違和感を覚えなかったので。

 

話は変わりますが、「まーもーなーくー水ー戸に到着…」で駅名標が出てくるときの演出は、未来のミライで話題になった演出の再現です。

 

長くなりました。次へ行きましょう。

f:id:TxNicon:20210606180033p:plain

アニメーションから、それっぽいシーンチェンジで、過去作の回想に入ります。「水郡線鹿島臨海鉄道、お・乗・り・換・え・です」のセリフは、リメイク元とぴったり重なります。

↓比較動画


www.youtube.com

3.3DCG(1:35~1:38)

f:id:TxNicon:20210606180549p:plain

f:id:TxNicon:20210606180600p:plain

f:id:TxNicon:20210606180610p:plain

サビに入り、水戸~上野間(特急が最もスピードを出す区間)を、CG657が爆走します。

まずは文字にブラーがかかり、E657系に切り替わります。この演出は、JR東日本の公式PVから取り入れたものです。たしかリニアのPVだったかと思います。

f:id:TxNicon:20210606181236p:plain

友達から、モデリングの腕上げたね~みたいに言われました。ありがとうございます。でも多分、私じゃなくてソフトが進化しました。前編で紹介した通り、私が使っているCGソフト、Blenderがバージョンアップしました。使いやすくなったと書きましたが、その理由の一つに、レンダリングエンジン「Eevee」の登場が挙げられます。

レンダリングエンジンというのは、ソフト内でゴリゴリ作ったモデルを、見られる形(jpg,mp4など)にしてくれるやつです。多分。動画編集ソフトでいうエンコーダに当たるんじゃないでしょうか。x264みたいな。

で、Eeveeは何がいいのかと言うと、初心者がとっつきやすい。Blenderレンダリングエンジンは、Eeveeの他にCyclesというものが存在します。ただ、こちらはプロ向きという感じで、扱いが難しいです。カメラで例えると、Eeveeがスマホで、Cyclesが一眼レフです。初心者が一眼レフ使おうとすると、スマホで撮るよりもひどい写真になったりしますよね。これと同じです。いつかCyclesバリバリ使いこなすマンになりたいとは思いますが、取りあえず今はEeveeで十分です。

4.上野(1:39~1:44)

f:id:TxNicon:20210606214810p:plain

上野駅上野東京ラインが開通するまでは、この駅が終点でした。映像は、11年前の上野駅です。フレッシュひたちとして活躍していたE653系、タキシードボディのすごいヤツこと、651系。祖父のカメラに入っていた映像ですが、撮ったのはどうやら私のようです。11年前の自分と、カメラ(とSDカード)を保存してくれていた祖父に感謝を。

ちなみに横の「Hitachi Express」と書かれたものは、E653系の前面に書かれていたもの。一昔前のデザインって感じがしていいですよね。

上野で終点としたいところですが、今回の動画のテーマは"常磐線の今を追う"ですので、ここから先、上野東京ライン東海道線を経由し、品川まで向かいます。

f:id:TxNicon:20210606220242p:plain

上野を連想させるものを色々詰め込みました。西郷隆盛像、アメ横、パンダ、桜。

この演出は、「Glow Map × 大変な途中下車シリーズ」の影響を受けています。2:38からのところです。

5.東京

f:id:TxNicon:20210606221819p:plain

田中さん、向山さん、堺さん、クリステルさんが揃って「東京ー!!」

ここでもまたOM4の出番です。丸の内駅舎が出るまでの早回し動画は「ハイパーラプス」と呼ばれる技法です。簡単に言えば動くタイムラプスです。うまく出来てるかは怪しいですけどね…

そして、丸の内駅舎ですが、これは、「3×3パノラマ」の機能を使ったパノラマ写真です。9画面の合成写真となっています。予定では普通に撮るつもりだったんですが、最大まで後ろに下がっても駅舎が全部入りきらないんですよね。じゃあパノラマで撮るか!と思ってパシャ。入った、ヤッタ!

f:id:TxNicon:20210606223914p:plain

東京の乗り換えではお絵かきタイム。illustratorで簡単な絵を描きました。だいぶ手抜きですが、かろうじてなんの車両かは分かるようになってると思います。

6.品川

f:id:TxNicon:20210606224343p:plain

原ノ町で活躍したフォント、Futuraが再び登場します。ところで、上野、東京、品川の東京都3駅では、駅舎+文字の場面が必ず入っています。ただ、フォントは全て異なり、それぞれの駅のイメージに合ったものにしています。上野は楷書体、東京は明朝体、そして品川がFuturaです。

7.反省点

最後に反省点を。反省点は、「色々詰め込みすぎた」ことじゃないかなと思っています。どうやら私はテンションが上ってくると、あれもこれもぶち込んでしまう癖があるようです。例えば今作だと、洋風と和風が混在しています。

f:id:TxNicon:20210606082718p:plain

洋風

f:id:TxNicon:20210606174526p:plain

和風

何でこうなるのかというと、動画をパートごとに作っているからじゃないかなと思います。だから、一つのパートで見たらいい感じでも、いざ全体で見るとイマイチ雰囲気が揃っていない、みたいな現象が起きます。"木を見て森を見ず"ということわざが合いそうです。

それで、世の名作(下車作品に限らず)を見てみると、やはり統一感があります。最近の下車だと、実写を一切使わずに絵で表現したものもありました。

ただ、色々混ぜることが悪いとは言い切れないところもあります。というのも、和洋折衷なんて言う言葉もあるわけですし、合作なんかは作風の違いを楽しむものですから。

何れにせよ、次回作品を作るときには、"統一感"を意識して動画を作ってみようと思います。